いいよな……とてもいい……。
ラインを越えては名曲だ。
マーシーの歌詞の世界はヒリヒリするくらい痛烈で、だけど優しくて、熱い。
まあマーシーの詩の世界についてはまた別の機会に。
どうして「ラインを越えて」なのかというと、LINEで思い出したからだ。
僕はそんなに人とのコミュニケーションが多いほうではないのだけれど、それでもバイトの連絡を取るのに必要だったりして、LINEを使っていた。
わりと早くから使い始めていたと思うんだけど、こんなに誰もが使っているようなサービスになるとは思ってもみなかった。
そうして日常に埋まっていくと、新しい情報って入ってこなくなるもので。
髪を切りに行ったら、いつもお世話になっていた美容師の人に
「もうすぐ僕、美容師辞めるんですよ」
という話をされた。
今までも同じ系列店の中で異動になって、店が変わってしまうということはあった。
僕はその度に、その人を追って店を変えていった。
そんな感じで今まで懇意にしてきた美容師さんだったので少なからずショックだった。
が、その日の夜、その美容師さんからLINEが来た。
実は美容師を辞めるのではなく、今までと違って今度は系列を抜けて別の店に移るため、表向きは「辞める」ということにしていたらしい。
お店の中ではその話ができないので、LINEで報告することになって申し訳ない。と。
僕は
「いいっすよー!全然!むしろ美容師続けてくれて嬉しいっす!これからもよろしくお願いします!」
みたいに返したと思う。
すると美容師さんは
「アカウントを変えるからこのIDを登録してほしいのですが」
と。
IDにはなぜか先頭に「@」が付いていた。
それで初めてLINE@の存在を知ったのだけども。
知らない間にこんなことになっていたのか……。
よく企業のLINEアカウントとかがあるけど、ああいうのもどんどんこっちに移行しているらしい。
僕がこの間もお世話になったレンタルバイク屋さんもLINE@をやっていた。
クーポンが抽選でもらえるらしく、もっと早くに知ってれば……という感じだ。
ただ、このLINE@の仕組みを見る限り、なんだかビジネスライクになってしまったな~と。
いや、向こうからすれば管理もしやすいし、個別のメッセージも飛ばせるしでいいことづくめなんだろうけど。
秘密感というか、担当の美容師さんとLINEでやりとりしてるっていう優越感というか。
そういうのが無くなったことを残念に感じている自分もいる。
その美容師さんが、昨日から新しいお店で働き始めたという。
前に異動したときは個別にメッセージをくれてたのに、今回は一斉送信だ。
結局は人と人の付き合いなので、そうやって露骨に対応が変わってしまったことがわかると何だか悲しい気持ちになる。
便利なんだけど、寂しくなってしまった感じがする。
いや、レンタルバイク屋さんみたいにクーポンとかくれたら全然問題ないんだけどね!