飛んでくぜ 飛んでくぜ
夜中に走るというのは気持ちがいい。
確かに視界は悪いんだけど、その分道が空いている。
夜の空気は夏でもひんやり冷たくて(冬場は死ぬほど寒いけど)、そこに自分が溶け込んだような気になる。
走っている車のライトが遠くなったり近くなったり。
暗くて距離感が掴めないものだから、段々と色んな感覚が麻痺してくる。
メーターを見ないと自分がどれくらいのスピードで走っているかもわからなくなって。
だけどスピードを上げた時のあのドキドキだけは変わらずに、暗闇の中でそのドキドキだけがはっきりしていて。
なんだか、生きているんだなぁという実感が持てる感じがする。
安全とはかけ離れている状態なのだから、そこで命を実感するのもおかしな話かもしれないけど。
いや、安全とかけ離れている状態だからこそ、命を実感できるのかもしれない。
今度また、夜中に走りに行こうと思う。
僕は生きているしそれ以外は何もわからないけど、それだけあれば十分だから。
それを実感しにいこう。